Vol. 4

裏地桂子さん

クリエイティブコーディネーター

自分が感じた幸せを人に伝える。
“お福分け”の気持ちが
私流の美しい生き方。

大学卒業後、ラジオ局、広告代理店を経て、専業主婦に。その後、雑誌のライター・コーディネーターとして活躍。ショップの商品企画、プロデュースでも実力を発揮し、2006年、京都のバッグデザイナー・千原啓子氏と共に、「デザイン和もの」をコンセプトにしたブランド「啓子桂子」を立ち上げる。

Photo by:Yasuhiro Hiruma

人と人、人と物をつないで、みんなをハッピーにするのが私の仕事

専業主婦だった裏地さん。当初は自分が何が好きなのか、何をしたいのか、わからず悩んだことも。そんな裏地さんがコーディネーターへの道を進み始めたキッカケを作ったのは、意外にも、自分では気づいてなかった、ある習慣でした。


-専業主婦からコーディネーターへ。転身のきっかけは?

24歳で結婚、27歳のとき横浜に家を建てたのをきっかけに専業主婦になりました。これが結構楽しかったんですよ。毎日習い事と、デパート巡り。お茶、お花、ケーキ、お料理2つ、英会話スクール…。楽しく過ごしていたのですが、そろそろ好きなことを見つけようと思い、派遣で働いてみたりしました。自分は何がやりたいのか、1年ぐらい悩んでいたのですが、ある日、気づいたんです、自分がかなりの雑誌好きだということに。月に50冊ぐらいは雑誌を読んでいるんですよ。それで「あら、私、雑誌が好きなのかしら?」って。

ちょうど、VERYなどの女性誌が創刊ラッシュだったこともあり、雑誌のお仕事を始めました。ライターもやりましたが、物や人のコーディネートもするようになって、主に、グラッツィア、メイプル、和楽で、コーディネーター、ライターとして10年お仕事をさせていただきました。

-今は「クリエイティブコーディネーター」という肩書きでご活躍ですが、具体的にどんなお仕事なのでしょうか?

そう聞かれると、いつも「人と人、人と物をつなぐ仕事です」と答えるのですが、抽象的ですよね。 40歳になるときに、和楽の「贔屓の店」という通販の連載ページを担当しないかと声をかけていただき、やってみたら、何個売れたかという数字がリアルに出てくることがとても新鮮で楽しくて。
自分のセレクトに対してストレートに反応が出るのが面白かったですね。職人さんにも、もっとここをこうしてほしいなどと要望して、オリジナルを作っていただいたこともありました。

そんなこともあって、2006年に「ハイアット リージェンシー 京都」に出すお店の商品のセレクトさせていただくことに。京都なのでホテルでお土産を買っていく方が多い、でも大きな物は持って帰りたくないということで、コンセプトは「手のひらの和」にしました。すごく素敵なお店ができたと思います。

和の職人さんとおつきあいするときは、まずはその方の作品を買いますね。そこからお付き合いが始まり、客になることで「ここが使いづらいの」「こういう色がほしい」と言うことができるのです。職人さんは生意気だなと思っていらっしゃるかもしれませんが、でも、そういう私の声を楽しんでくださっていると思います。

大島紬の着物に、荒き節子さんの染め帯(写真上)/麻織物「奈良晒(ならさらし)」の技法を伝える老舗「中川政七商店」とのコラボで完成した、和モダンな日傘(写真下)

私は、職人さんも買う人も、みんながハッピーになってほしいんです。職人さんがどんなにいいものをつくっても売れなければだめだし、どんなにいいものでも買う人の今の暮らしに合わなければ必要ないわけですから。買う人の気持ちを創る人に橋渡しをする、そういうお手伝いができたらいいですね。

そんなプロデュースや商品セレクトのお仕事も含め、総称して「クリエイティブコーディネーター」と言っていますが、「わたし好みのデザイン和もの100選」(ラトルズ)を出版したことで、より私の仕事が周囲に理解してもらえるようになりました。1冊の本の重みを感じましたね。本を見ていただけば、どんな仕事をしているのかわかっていただけますし、クライアントの信頼感も違ってきます。本を見た方から仕事の依頼がきたりしましたから。本を出版したことで、またそこから出会いが広がっています。1冊目が出版できたからこそ、2冊目の本「わたし好みのHappyデザインギフト100選」(小学館)、3冊目の本「わたし好みの口福のギフト100味選」(扶桑社)へとつながったわけですから。

「ありがとう」をよく使う…いつも、やさしくありたいから

-お着物を素敵に着こなしていらっしゃいますね

人前に出るときはなるべく着物を着るようにしています。以前、レセプションに着物を着ていったとき、すごく喜ばれたのがきっかけです。着物にも流行がありますし、年齢によって似合う色も変わってきます。今は、その奥深さにはまってしまって、着物は完全なお誂えにしているぐらい。物にもよりますけど、お誂えだからってそんなにべらぼうに高いわけではないのでおすすめです。本当にすごーく楽しいんですよ(笑)。

40歳は着物適齢期だと思います。自分が好きなファッションも決まってくるし、着物を着ていくシーンも見えてくるので、必要な着物も固まりますから、無駄がないし、失敗をしなくてすむ。洋服だとなかなか着られないピンクやイエローも着物なら着られますし、柄と柄を合わせる楽しみも。レストランに行っても上席に座らせてくださるし、パーティでもみなさん喜んでくださる。着物のほうがドレスより、周囲の評価が高いんですよ。


-裏地さんはとても活き活きと人生を楽しんでいらっしゃる感じがしますが、その秘訣は?

いつも『やさしくありたい』と思っています。それは、心の持ち方ひとつだと思います。嫌なことがあったとしても、これぐらいで済んだと思えるか、こんなことがあった!どうしようって思うかで全然違ってきます。「お福分け」と言っているのですが、独り占めせずに、自分が良かったと思ったら、人に差し上げたり、すすめたり、情報を伝えたりすることで、福が回っていくといいなと思っています。

それから、「ありがとう」という言葉をよく使うように心がけています。「すみません」はあまり好きじゃないんです。なんだか気持ちがこもってない気がして。「ごめんなさい」や「ありがとう」に置き換えられるじゃないですか。そのほうが気持ちが伝わると思います。ありがとうは魔法の言葉、言われて嫌な人はいませんよね。

そうやって人と人とのつながりを大事にしながら、自分ができることで、他の方にも幸せが回っていったら素敵だと思います。

インタビューは裏地さんお気に入りの村井正誠記念美術館で。世田谷・等々力の閑静な住宅街にあるこの美術館には村井氏のアトリエだった小部屋がそのまま残されている

■美しさのための教訓

「心豊かに、やさしい気持ちで」

  • ■美のために毎日実践していることは?
  • 還元水を飲んでいる
  • ■ストレス解消法は?
  • 旅行に行く/ミストサウナをつけてゆっくりお風呂に入る/マッサージを呼ぶ
  • ■あなた流メイクのワンポイントは?
  • まつ毛のエクステ
  • ■お気に入りの美容室
  • ピッチパイプ(広尾)
  • ■最近買ったものでヒットは?
  • 天然素材のオーダーメイドベッドマット「ラークオール」
  • ■よく行くお買い物スポット
  • 伊勢丹新宿店
  • ■好きな作家は?
  • 林真理子さん、東野圭吾さん
  • ■最近観てよかった映画は?
  • おくりびと
  • ■よく行くお気に入りのレストラン
  • カンテサンス(白金)、七草(下北沢)、緒方(京都)

5月7日に出版された3冊目の最新著書「わたし好みの口福のギフト100味選」(扶桑社)

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