Vol. 8

平塚 ユカリさん

PR&Advertisingマネージャー

「いちばん大切なのは家族。
仕事は2番。このスタンスは
変わりません」

フランスの化粧品メーカー、時計・宝飾ブランドでPRとしてのキャリアを積み、現在はロエベの顔として活躍。たおやかな印象と誠実な仕事ぶりはまさにPRの鑑的存在です。

Text:Miho Suzuki Photo:Katsumi Fujii

時には流れに任せる。そこで知合った人や思いがけない経験が、仕事の醍醐味

一流ブランドのPRとして順調に積み重ねてきたキャリアとは裏腹に、今まで仕事を楽しいと思ったことはほとんど無いと語る平塚さん。一見、矛盾するその言葉が意味するものとは?


-化粧品メーカーからロエベまで一貫してPRでご活躍ですが、PRの仕事を選んだ理由は?

勤務していた化粧品会社の異動で、たまたまPR職になったまでで、自ら進んでというわけではありません。実をいうと、私、就職したくなかったんです(笑)。でも、両親が一度はきちんと勤めるようにというので、商社に。今、就活に苦労している学生さんたちには申し訳ないですが、バブル景気で就職先には困りませんでした。会社生活はそれなりに充実していましたが、扱うものが自分に近しいものではなかったので、興味が持てなくて。収入を得るならアルバイトでもいいかなと思い、1年と数ヶ月で退職してしまいした。

ところがその間にバブルがはじけてしまい、なんとか音楽出版会社の1年契約のアルバイトをみつけたのですが、音楽は好きなものの仕事となると難しくて。とにかく来客が多く、お茶を入れて灰皿を洗って、社員の方のお手伝いをして、一日が目まぐるしく過ぎる日々でした。ただそこで初めて、毅然と働く女性上司に出逢い、「きちんと就職しよう」と決め、化粧品会社に勤める事になりました。

トータルするとPRが長いですが、必ずしもPRにこだわっていたわけではありません。どちらかというと引っ込み思案なので、初対面で名前を覚えてもらえなくても、仕方ないなと。その代り、何度もアプローチします。そしてチャンスが巡ってきたとき、それを見極めればいいと思っています。流れに任せるというか。

-転職も、流れに任せた結果だったと?

化粧品会社を辞めた理由の一つは、入籍しようと思った相手が関西に転勤になったからですし、次の時計・宝飾ブランドに入社したのは、お世話になった編集の方の紹介でした。

ロエベへ移るのを決意したのも、きっかけは時計・宝飾ブランド会社の当時の上司。尊敬していた彼女のご主人がロエベ本社の代表に就任なさり、一緒にスペインへ移るため退職なさいました。それで、ロエベに入社すれば、会社を通してご縁が切れずにいられると思って。私、人になつく性質なんですね。キャリア志向ではないし、あくまで私の優先順位はまず家族、仕事はその次ですから。

ただ、転職して環境が変わることで、会えない人に出会えたり、新しい経験をさせてもらったり。ロエベに入社したからスペインにも行けたわけで、そういうときは、思いがけないご褒美をもらったようでうれしいですね。

-出張なども多いと思いますが、海外はお好きですか?

それがまったく苦手。海外出張でカンヌやニースにも行きましたが、楽しいと思ったことはほとんどありませんでした。太陽が輝く海岸で、スーツにハイヒールにタイムスケジュールが必需品。ハイジュエリーを手にガードマンとひたすら走る(車は渋滞してしまうので)など、ほんとに過酷な思い出ばかり(笑)。

「外国も行った方がいい」と、心から思えたのはスペインが初めて。パリのグレーの空に比べて、スペインの空は青くて高いな、と。それに、親切過ぎて時にはいい加減とも思えるほど開放的なスペインの人たち! 道を尋ねると、知らなくてもなんとか力になってくれようとする。おかげで間違った方角を教えられて何度も迷子になりましたが(笑)。でも、彼らの何かしてあげたいという気持ちがわかってからは、ああ、いいなあと。


-平塚さんは美肌の持ち主として、女性誌へのご登場も多いですが、美容に関して気をつけていることは?

肌の調子も、自分の気持ちも、落ちてしまうのは避けたいので、忙しくなるとわかっているときは、その前から作戦を立てます。一度落ちると前のレベルに戻すのに、ものすごく時間もコストも気力も必要になりますから。基本的にめんどくさがりなんです。仕事でもなるべく余分な手間をかけないように心がけています。

でも、ひと月に2日は、何もしなくてもいい日を、自分に許してます。本当にへとへとに疲れた日は、顔も洗わず寝てしまいます。今のところ、月に2回までなら、通常レベルを維持できるので。でも、早晩、考え直さないといけなくなる時期がきますね、きっと。

最近お気に入りの「カカオ サンパカ」のチョコレート。スペイン王室御用達で、あの「エルブリ」のパティシエ、アルベルト・アドリア氏もブレーンとして参加。パルメザンチーズのボンボンなど斬新な味わい。保存料は不使用、日本へは冷蔵空輸される。9月、日本1号店が丸の内にオープン。

■美しさのための教訓

「何事も、マイペースで。」

  • ■美のために毎日実践していることは?
  • 洗顔後に化粧水、乳液、クリームでお手入れするだけです。
    特別なことではないのですが、日々このプロセスを実践しています。
  • ■あなたにとっての魔法のコスメ
  • ナチュラビセのダイヤモンドクリーム。
  • ■あなた流メイクのワンポイントは?
  • 必要なところに、“足す”だけにとどめること。
  • ■今、一番癒される時間は?
  • 晴れたお休みの日に、お仕事無しで過ごす時。
  • ■バッグの中にいつも持ち歩いているもの
  • 小さなノート。
  • ■最近買ったものでヒットは?
  • 秋に丸の内にお店がオープンするカカオサンパカの板チョコレート。
  • ■お気に入りのファッションブランド
  • ロエベ(すみません、自社で)です。
  • ■よく行くお気に入りのレストラン
  • とくに決まっていないですが、ランベリーは好きです。
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